藤田れみ2026/05/24

 恋人が録画していた「ETV特集 駅が語れば」を見た。 
開業100周年をむかえた昨年に営業を終え、いまでは解体されている、抜海駅のドキュメンタリー。
本放送は2025年11月だったようだが、再放送されたようだ。

 風景に舞う雪や埃、解体のシーンでは木屑が、むしろその場所の空気や光を示していたように、
住人や関係者へのインタビューパートが、かつて存在したという駅を立証する。
そう、「何もない」までも、ことばにされることで残る。

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 ドキュメンタリー内で、加害者(もしかすると被害者たちも、ともいえるかも?)の境遇に戦争が影響してしまった、抜海で起きたある事件を取り上げていた。
戦争はそれが生じることで、人々の、かけがえのない人生を、大きく損なってしまう……他のすべてにもそのような力は備わっているけれど、他のほとんどのものより強力に作用する。

 これはこのドキュメンタリーに限ったことではないが……第二次世界大戦の経験を肉声で語れる世代の高齢化を、その語りに遭遇する度に感じる。
上記のエピソードは80代後半の方の語りだったし、その他に戦争が関連するエピソードを語っておられたのはいずれも90代の方々だったはず。

 もちろんNHKのみならず当事者の語りを映像や音声に残していこうと尽力している人々がいる(遭遇の頻度が高くなっている気がするのだ)、そのはずなのに、
「保存」よりも「伝達」がなかなか今では難しいのだろうか、信じられない言説を見聞きすることがどんどん増えているような……。

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